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第二章 半年ぶりの再会
長髪青髪の青年はつぶやく。 「カレギア城か・・・。久しぶりだな。」 ここはカレギア城。 世界の中央の島の都市バルカにあり、大きく、美しい城だ。 半年ぶりに、7人は集まる約束をしたのだ。 ここ、カレギア城で。 やっぱり半年経っても明るさは健在なティトレイ。 いつもの元気な(うるさいとも言う)調子でみんなに話しかけた。 「そうだな!マオとユージーンと、久しぶりに会うのが楽しみだな!」 半年前はティトレイといいコンビで漫才をしていたヒルダ。 半年経ってもティトレイに相変わらず皮肉をぶつける。 「あんたじゃないんだから、風邪とか引いてるかもしれないから心配ね。」 「おぉ!俺は生まれてこのかた、風邪を引いたことなんてないぜ!よくわかった な!」 全く気づいていないティトレイ。 いつもと変わらない天然ぶりを発揮した。 ヴェイグはティトレイを哀れそうな目で見る。 「(ティトレイ・・・。かわいそうだな・・・。まぁ、半年前はいつものことだったが。)」 「あのー・・・ティトレイさん。その風邪をひかないって・・・。」 クレアは言いかけたが、それをアニーが止めた。 「クレアさん・・・、それはきっと、言っちゃダメですよ・・・。」 はぁ・・・とため息をつき、ヒルダは言った。 「それにしても、あんたって本当にかわいそうよね。」 「あ、ヒルダさん・・・(汗)」 アニーが止めたのにも関わらず、ヴェイグも思ったことをいつもの調子でヒルダは言い放った。 「何がかわいそうなんだ?まぁいいや。早く行こうぜ!」 まだ皮肉に気づけないティトレイ。 半年経っても全く天然なところは変わらない ヴェイグは心の中でティトレイに突っ込んだ。 「(何でティトレイは、バカは風邪をひかないというのを知らないんだ・・・?セレーナさんが教えてくれなかったのか?いや・・・普通知ってるだろ!・・・まぁ知らないのがティトレイ・・・か。)」 心中の長いつっこみ(?)を終えたヴェイグは、ため息をついた。 その時、クレアが優しく声をかけてくれた。 「ヴェイグ、どうしたの?みんな追いてっちゃうわよ?」 クレアが心配してくれたので、ヴェイグは少し嬉しくなった。 「大丈夫だクレア。行こう。」 二人は小走りでみんなに追いついた。 5人は門番に事情を話し、城へ入った。 城は、当たり前だが半年前と全く変わりはしなかった。 今この国の王になっているのは意外だがワルトゥである。 ミルハウストは自分の不甲斐なさでアガーテは死んだと言い切り、王になるのを辞退した。 だからミルハウストは、アガーテを死なせてしまった償いをするためにカレギア軍の将軍として王の命令を忠実に遂行している。 ワルトゥが王になったので、四星は解散し、現在の王の盾はサレとミリッツァでしきっている。 サレは、あの重症でバルカまで戻り、一命をとりとめたらしい。 なので全治して王の盾に復帰した。 しかし、トーマは残念だが、もうダメだったらしい。 サレが、どんなにあの一突きに、力をこめたのかがわかる。 体力も力も、ガジュマが優れているのにも関わらず、ヒューマのサレが生き残ったのだ。 「あ!ヴェイグ達が来たよ、ユージーン!」 窓から玄関をずっと見ていたマオが待ってました、と言わんばかりにユージーンを呼んだ。 ユージーンとマオは、あの後またカレギアの兵士に復帰した。 そして、再びユージーンは隊長になった。 マオは昇格し、副隊長になった。 二人はバツグンのコンビネーションで、他の兵士からとても注目されているようだ。 そして、隊長と副隊長故、いつも尊敬の眼差しで見つめられる。 さすがは隊長。と、副隊長。 「うむ。久しぶりだな。しかし変わらんなお前ら。」 ユージーンは鍛え上げた体をもっと鍛えたらしく、半年前よりさらに強そうに見えた。 ヴェイグが言葉を返した。 「久しぶりだな。元気そうでよかった。」 そして2人は握手した。2人共あまり笑わないが、そのときだけは少し笑顔を見せた。 ヴェイグの方は他の人から見れば、あまり笑顔ではなかっただろうが、この7人は知っている。 ----- それがヴェイグなりの精一杯の笑顔だということを。 ティトレイはいつもの調子でマオとユージーンに話しかけた。 「おう!まぁ半年しか経ってないもんな。あまり変わんねぇだろ。」 しかしティトレイは、何かに気づいたようでマオの頭に手を当てた。 「おぉ!マオは身長伸びたかぁ?」 「当ったり前ジャン!ボクは成長期なんだってば!」 マオはちょっと怒りながら主張した。 でも少し嬉しそうだったが、ティトレイは気づかなかった。 そしてクレアが優しく言った。 「本当に、元気そうでよかったです。」 ユージーンは言葉を返した。 「お前達も元気そうで何よりだ。」 みんなもそうだが、久しぶりの対面で嬉しいのだろう。 しかし、ヒルダが少し心配そうに2人を見た。 「二人とも軍に戻ったんですって?うまくいってるの?」 マオは右手の親指をあげ、それをヒルダのほうに向けて自慢げそうに言った。 「もちろんだよ!僕なんて副隊長になっちゃったよ〜!」 そのポーズはもはやマオの特徴だ。 アニーは自分の事のように笑顔で喜んでくれた。 「それはスゴイわね、マオ。」 しかしマオには子供扱いされていると思ったらしい。 「何それ!?子供扱いしないでよ〜!」と突っぱねた。 そこが子供らしいということに気づかずに。 本当に半年前と変わらない戦友たちにユージーンが気を使ってくれた。 「それよりお前ら、腹減ってないか?食事を用意したんだが・・・。」 ティトレイがすぐさま反応した。 「おぉおお!!腹減りまくりだぜ〜!さすがユージーンだな!」 ヒルダは呆れた口調で言った。 「あんたは食べることとお姉さんのことしか頭にないの?」 「う・・・うるさいな!そのほかにもいろいろあるぜ!えっとぉ・・・・・・、まぁいろいろだ!!」 本当にお姉さんと食べることしか頭にないティトレイは、図星を突かれて困った。 そしてみんなはため息をついた。 ティトレイにはそのわけなどわからなかったが。 そこにマオが助け舟を出してくれた。 「はいはい。もういいから!食事に行くよ。」 あ、とマオは思い出したように言った。 「それよりヴェイグ、ピーチパイも用意してあるよ!」 今度はヴェイグがものすごい早さで反応した。 「!!ナイスだマオ!!いくぞ皆!」 と言ってすぐさま1人食堂へダッシュした。 みんなは呆れたが、クレアはいつもの調子で、平静を保っていた。 さすが幼馴染をいうところだろうか。 そしてみんなを促した。 「ヴェイグったら。皆さんも行きましょうか。」 一行は(呆れながら)ヴェイグを追って食堂へ向かった。 食堂は、広くて掃除がいきとどいていて、とても清潔な所だ。 長い机と何個もの椅子が並べてあった。 しかし人はいない。 貸し切り、なのだろう。 が、一人だけポツンとお昼をとっていた。 なんと意外にも、その人は一行は見慣れた人物だった。 「サレ!!?」 みんなが驚いた口調で叫んだ。 サレはこちらに気づき、食事をしながら言葉を返してきた。 「やぁ皆。お久しぶり〜。元気だった?」 ティトレイはものすごく喜んだ。 「お前、生きてたのか!?よかったぜ〜!」 「フン・・・。」 そして口の中の物を飲み込んだ。 「君達にまだ勝ってないからね。死ねないよ。」と言いつつ、少し照れたサレ。 いくらサレでも、生きててよかった、と言われたら嬉しいものだろう。 そこをマオは見逃さず、ニヤニヤしながら言った。 「何言ってるんだよサレ。懐かしき敵に会えて少しは嬉しいでしょぉ?」 サレは図星を突かれたが、頑張って平静を保った。 「な・・・何を言っているんだ、マオ坊や?」 そして気づかれないように、お得意の皮肉を言い放った。 「僕より偉くなったくせに僕に勝てないもんねぇ。ま、マオ坊やなんかが偉くなるんだったら僕もすでに陛下より偉いけどね。きっと何かの手違いさ。」 「ムキー!そんなことないもん!ていうかボクたちタイマンで戦ったことないじゃん!」 さすがにマオも足をドンドン踏み鳴らしながら怒った。 そのまま喧嘩になるのかと思いきや、そこをアニーが止めてくれた。 「まぁまぁ。二人ともそれくらいにして、早く食事にしましょう。」 ユージーンも同意した。 「うむ。アニーの言うとおりだ。いやな気分で食事なんてするんだったら、ここでやめたほうがいいだろ?」 「うん・・・。そうだね。」 「フン・・・。全く。これだからおこちゃまは。」 とサレは言い、食事を再開した。 しかしその食事も、また中断してしまうはめになった。 「それにヴェイグはもう食べ始めてるわよ・・・。」 このヒルダの呆れたような言葉で、サレは食事の手を止めた。 クレアは止めようか止めまいか迷いながら言う。 「しかも食後に食べるはずのピーチパイを、もうほとんど食べちゃってますよ?ど、どうします?」 サレは溢れる感情を抑えきれず、不満を言った。 「何で客の分際のお前が食事を堂々としてるんだよ!しかも食後のピーチパイを食べるな!それは僕のだぞ!ヴェイグ、ピーチパイピーチパイピーチパイ・・・バカみたいだよ!!」 しかし、そんな皮肉でもヴェイグには聞こえていないらしく、まだ食べ続ける。 マオが叫んだ。 「皆!早く食べないとヴェイグが全部ピーチパイ食べちゃう!!」 ティトレイも悔しそうに叫んだ。 「そうだ!もう食後の食べ物なんて言ってられない!みんな、食べるぞ!」 「おぉ〜!!」 ヴェイグ以外の全員は同意し、ピーチパイを食べ始めた。 ちなみにサレも入っている。 (あれ・・・?何で僕までノリでやっているんだ・・・?バカみたいだ僕・・・。) そしてあろうことが、心の中で自分をけなしてしまった。 一番のお気に入り言葉の「バカみたい」で。 そのあとバカみたいにピーチパイをやけ食いした。 |