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グー姉さんの探し物
「・・・あら?」 グリューネは首を傾げて言った。 「どしたの?グー姉さん。」 困っているグリューネを見たノーマが訊いた。 グリューネは笑顔でノーマに答えた。困っている時でもグリューネは笑顔を保つらしい。 「私の壷がなくなっちゃったの〜。お姉さん、困ったなぁ。」 即座にノーマがつっこみを入れた。「全然困ってそうには見えないって!」 確かに自分の武器がなくなって(まず、なくすの自体ないと思うが)、笑顔で困ったと言っても全く説得力がない。まぁそこがグリューネ、だが。そういうのを仲間たちは、きちんと理解をしている。 ノーマも例外ではない。そういうグリューネを見ても、ちゃんと心配する。ノーマに言わせると、「それが仲間だからね〜」らしい。そしてグリューネは、ノーマの憧れの存在でもあり、大切な仲間でもある。 「まったくぅ。最後見たのはいつなの?」 グリューネは、口に指をあてながら答えた。「え〜っとぉ・・・確か、昨日はあったわねぇ〜。」 「今日は見てないの?」 「見たような気もするし・・・見てないような気もするし・・・。」 「アバウトすぎだよ!!」 探し物を探しているというより端から見れば漫才をやっているみたいな(懐かしの)ヘラヘラ同盟の会話だが、それも終止符を打った。 「ノーマ、グリューネさん、どうしたんだ?」 ノーマたちが声をした方へ向くと、セネルがいた。 「あ、セネセネじゃん!聞いてよ〜!グー姉さんの壷がなくなったんだって!!」 「何!?」 さすがのセネルもそれには驚き、困った。 「じゃあ探すとするか。みんなを呼んでくる。」 そうしてセネルは、当たり前のようにみんなを呼びに行った。 探し物(確かに武器ではあるが)ごときに総動員、そして全力をつくす、というのがこのメンバーの凄いところだ。 ノーマは少し安心した。みんなが探してくれるのならば、すぐ見つかるからだ。 「よかったね、グー姉さん。みんなが探してくれるよ!」 「そうねぇ。お姉さん、とぉ〜〜っても嬉しいわぁ〜。」 「で、グー姉さん!」ノーマはピシャンと手を叩いた。「最後に見たのは何処で?」 「えぇ〜っと、確か・・・ホタテのみんながいた所・・・だったかしら。」 ノーマの顔が輝いた。「それだったら簡単だよね!ジェージェーに頼めばすぐ見つかるよ!!」 「そうねぇ。早く見つかるといいわねぇ。」 グリューネは笑顔でそう言った。 「も〜他人事じゃないんだからね!」 「お〜い!みんなを連れてきたぞ!」 セネルが再び戻ってきた。 「お、ありがとセネセネ!で、最後に見たのはホタテの村だって。」 ジェイがつっこんだ。「そんな名前じゃないですよ!」 そして真面目な顔に戻り呟いた。「モフモフ族の村か・・・。だったら情報は得易いですね。」 考え事中のジェイの代わりに、ウィルが話を進めた。 「それではさっそくモフモフ族の村へ戻ろう。キュッポたちにも手伝ってもらうとしよう。」 「壷だキュ?わかったキュ。みんなで探してみるキュ!キュキュキュ〜!!」 一行はモフモフ族の村に着いた。 キュッポたちは快く探すのを手伝ってくれた。 「よろしくね、キュッポたち。僕らも探してみるから。」 そう言ってジェイはみんなの方に振り返った。 「キュッポたちが手伝ってくれるそうです。僕らも探しましょう。」 クロエはグリューネに訊いた。「この村のどこら辺で見たのだ?」 「う〜ん・・・・・・どこだったかしらねぇ・・・。」 「ま、全部探せば見つかるじゃろ!」 モーゼスはクカカ、と笑いながら言った。 「無茶言わないで下さいよ。これだから単細胞の人は・・・。」 ジェイは呆れた、とでも言いたいかのようにため息をついた。 それに当然のことながらモーゼスも黙ってはいない。「ジェー坊、ちょっと表出ろや。」 「それでは皆さん、壷を探しましょう。」 「無視かジェー坊!!」 ノーマは手を上下しながら言った。「わかったからモーすけも早く探してよ!」 モーゼスは少しうなだれながら、呟いた。「・・・姉さんのためなら必死こいて探すしかないじゃろ・・・。ジェー坊が気にくわんがそがぁなこと気にしてもいられんのぅ。」 「じゃあ、一時間後にここに集合だ。」とセネル。 そしてみんなはバラバラに別れ、壷を探し始めた。 さすがのモーゼスも、一生懸命に壷を探した。 家族のためなら探し物なんぞ、すぐ見つけちゃる!そんな勢いだった。 -------- 一時間後 -------- みんなが集合場所に戻ってきた。 最初にシャーリィが口を開いた。 「見つかりましたか、みなさん?」 一番手にセネルが申し訳なさそうに言う。「いや、見つからなかった。」 「・・・すまない。オレも見つからなかった。」ウィルもダメだったらしい。 「見つからないよ〜!グー姉さん、ホントに何処に落としたか覚えてない?」 ノーマも見つからなかったようで、焦っている様子だ。 「ごめんねぇ、やっぱり思い出せないわぁ。」 グリューネはやっと事の大変さにわかったらしく、やっと笑顔ではなく少し真面目な顔をした。 「そうか・・・。私の方もダメだった。」クロエも真剣に探したのに、無くてすまなさそうに言った。 「じゃあ、誰も見つけていませんね。」これにはジェイも少し困った口調だ。 「ってオイ!ワイを忘れとるぞワレェ!!」 モーゼスの勢い余ったつっこみだったが、ジェイに軽くあしらわれた。 「みんなが探してもダメだったものをモーゼスさんが見つけられるとは誰も思いません。」 「・・・(泣)」 「いじけているモーゼスさんはほっといて、キュッポたちは?」 みんなが期待をこめてホタテ三兄弟を見たが、やっぱり期待外れの答えが返ってきた。 「ジェイ、みなさん、申し訳ないキュ。みんな見つけられなかったキュ。」 「困ったよぉ〜!どうするみんな?」 ノーマはさっきより焦っている。 「ノーマ落ち着け。もう一回みんなで探そう。」 セネルは冷静にノーマを諭した。さすがみんなのリーダー的存在であるセネルだ。 「そうじゃ・・・。また探すのかのぉ。疲れるのぉ・・・。」と、らしくないセリフを言ってしまったモーゼス。 これにはさすがにノーマも怒った。 「モーすけ!グー姉さんが困ってるのにそれはないでしょぉ!?ちゃんと探せば見つかるよ!」 モーゼスもしょぼんとなり、すまなさそうな態度を見せた。 「すまんシャボン娘。そうじゃ、家族のためじゃ!なんでもやっちゃる!」 「それでこそモーすけよ!さぁ、モーすけ!あんたの野生の感で壷を見つけるのよ!!」 「無茶言うなシャボン娘!!」 とモーゼスはノリのいいつっこみを終えたが、思いもしないことが次の瞬間に起きた。いきなりグリューネがモーゼスに抱きついたのだ。 「モーゼスちゃん、お願いだから頑張ってね。お姉さんも頑張るからぁ。」 「ヒョォォォォォッォオ!!」 モーゼスは上に木があるのにも関わらず、上空へと空高くジャンプした。 そこへ、ジェイがモーゼスの飛んでいった木へ叫んだ。「モーゼスさ〜ん!死んじゃってくださ〜〜い!!」 そこへウィルのいつものアレがきた。ポコッ、といい音が鳴り響いた。 「ジェイ、そんなこと言うな。モーゼスだって役に立つ時があるかもしれんだろ。」 役に立つ、とかいう問題ではないが、ウィルはジェイを叱った。 そこをクロエが促した。「さて、モーゼスは放っておいて、我々はまた壷を探すとしよう。」 「そうだな。」とセネル。 ここでクロエの顔が少し赤くなったのは言うまでも無い。 気になっている人に同意されたら少しでも嬉しくなるのが乙女心というものだ。(ノーマ的には) そしてさり気なくシャーリィが悔しがっていたのも言うまでも無い。 セネルは日々大変な思いをしていると本気でわかる場面だった。 と、その時。 頭上の木からモーゼスの声がした。 「お〜〜い!姉さんの壷、ここにあるぞぉ〜!」 「!!!」 ノーマが驚きながら言った。「ほ、本当!?モーすけ!!?」 「ワイはそんな嘘はつかんじゃろ!だがな、ひとつだけ問題が・・・。」 「それは何だ、モーゼス?」首をさすりながらセネルが訊いた。ずっと上を向いていたら確かに首も痛くなる。 モーゼスが少し苦々しく言った。「・・・鳥が巣を作っちょる。」 「えぇええ---------!!?」 「グリューネさん、どうします?」シャーリィがグリューネに答えを求めた。 グリューネは少し考えた。「そうねぇ・・・。」そして、考えた末のグリューネの答えはこうだった。「鳥さんがかわいそうだから、やめにしましょうねぇ。」 ウィルが手早く言った。「ということらしいから、早く降りて来いモーゼス!」 グリューネのことだから、仲間も何となく予想がついていただろう。 「わかっちょるわ!」と元気の良い返事をしてすぐに降りてきたモーゼス。 ジェイが呟いた。「やっぱり猿並みですね・・・。」 が、呟きなのに何故かいつもモーゼスには聞こえる。「何か言ったかの?ジェー坊?」 「(無視無視。)ではどうするんですか、グリューネさん。武器なしでやっていく、というのはさすがに困りますよ。」 「また無視かワレェェェ!!」 「だったら、灯台の町に買いに行けばいいわぁ。あそこなら、今鳥さんの巣になっている壷も、買えるわよぉ。」 「・・・・・あ。」 一同、ここまできてやっと「買う」という手段に気付いた。 そんなこんなで、も〜〜〜疲れた一日だったよぉ〜! もう探し物なんてヤダァ〜。 ま、でも戦いばかりじゃなくて、こういうのもたまにはいいけどね! 今日もまた、楽しい一日を迎えられた一行でした☆ グー姉さんの探し物 記入者・ノーマ・ビアッティ |